新コーナーです。TOEIC900のコーナーで何度か語感について取り上げました。Outputにおいて問題になることの多いテーマです。文法的な間違いなどと違い、なかなか事例を見つけるのもそれほど簡単ではないかもですが取りあえず始めます。文法、語彙、用法などは私のような個人のHP類で書かなくても辞書や文法書で十分のはずなので原則として取り上げませんが、頻繁に目にする物については一部触れます。なお更新は一番上に掲載されます。
Please |
誤感"Please cover the meeting for me." 正しくは ".... (reasons why you cannot handle/attend it)..... So I would appreciate it if you could cover the meeting. Applogiies for my not..." |
部下が上司に向けて発信したメールの文言です。自分が出ることが出来ないのでしょう。なので、自分の代わりに出て欲しいと言うことでしょう。本人に悪気や上下関係の認識の欠如があるわけではありません。ただ英語の語感が分かっていないだけです。 Pleaseをつければなんでも丁寧でOKという日本人のありがちな英語の語感の認識の間違いです。この文章を上司に向けて打った場合、上司が受け取る感じはさしずめ「悪いけど会議でといてくれる?」みたいなお気楽なため口を聞いたような気になります。 事実、私の知る限りの欧米人が自分の上司に向けてそのような無礼なメールを送るのを見たことがありません。 自分が何故出ることができないか、あるいはなぜ上司に出てもらう必要があるのかとくとくと説明した後、例に挙げたような文言で締めくくる、それが普通です。 外資に10年近くいてもその当たりの勘が鈍い人はいつまでたってもその辺のsensitivityに気がつくことができません。そして損をしてしまいます。Imperativeに形通りにpleaseを付けただけでは決して思いのこもった依頼にはならない。普通は5年も外資にいれば分かる語感ですが、ボーっとしていたら10年たっても分かりません。 |
||
I think ...not.... | 誤感"I think what you said is NOT correct." 正しくは "I don't think what you said is correct" |
結構、classicな例なのでそこそこの人はな〜んだ、そんなの知ってるよと言われると思います。私も結構早い時期に英語ではこういう風に言うんだと覚えたのを覚えています。そしてその言い方を続けるうちに赤ん坊のように、I
think....not....で話されると「?」と違和感を持つようになりました。 ただ、ではなぜそうなるのかなぜI think...not...はwrongでI don't think...が正しいのか?と考えてみると結構難問です。ということで以前から私は何人もの欧米人にことある毎に「なんで?」と聞いてきました。 全く答えられない欧米人から、「それはそのぉ〜」といろいろ支離滅裂な事をいってお茶を濁す人までいろいろでしたが、聡明な数名が同じようなことをいいます: 「What you said is NOT correctと相手のstatement自体を否定してしまうときついだろ、身も蓋もないやんけ?逆に、私はそうは思わないと、自分の意見としてコメントして相手に議論の余地を残すようにするから I don't thinkというんだよ」。100%正解かどうかは私には判断できません。しかし説得力はあります。 |
||
How do you think? |
誤感"...... so that is my proposal. How do you think?." 正しくは "What do you think?" |
今回はとっても初級ですけどよく見かけるケースですので挙げときます。「どう思いますか?」のつもりなんですが、この「どう」の部分を直訳してしまってHowとなってしまう間違いですね。Thinkとは「あるideaを持つ」という意味をとらえれば、how(どう)ではなくwhat(なに)であるということはおわかりですよね。 すらすらと練習してきたプレゼンテーションが終わり、How do you think?で終わられるとaudienceはガクンときます。傾向としては自分で作り上げた英文を、それまでのinputなどを通じてcalibrateする癖のついてない人がこの手の間違いを気がつくことなく長年使っているケースが多いですね。仕事で使う場合、なかなか誰も指摘しませんからね。 How dare can you think it that way!! なんていうのはありですが、この場合は「いったいどうすればそういう風に考えることができるんかい!(信じられん)」と、ある考えに至った過程を問うているわけですからHowですね。 |
||
How are you? |
誤感"How are you?" |
とてもclassicですが、3級あるいは2級前半まではときおり見かけるケースです。ご存じ
How are you?は「どうですか?」「元気ですか?」と相手の状態を伺うフレーズです。もちろんよく使われるため「こんにちわ」的意味合いもありますが、けっして日本語のこんにちわと同じではありません。 あわせて I am fine, thank you というのもおきまりで習ったと思います。これはこれで丁寧な受け答えでいいのですが、決して「決まり文句」ではありません。あなたが本当に元気で気分も上々ならこれで良いですがそうでないときもありますよね。 How are you?という質問の意味をきちんととらえていれば自ずといろいろな受け答えが必要と言うことは分かってくると思います。 ただ欧米の人は特に親密でない人に対してはは仮にあまりfineでなくても極端にネガティブな返答はしないようです。かといって I'm fine でもない、その辺りを見ているといろいろな受け答えが見えてきます。 |
||
Thank you very much! | 誤感"After you." 普通は "Thank you." |
日本人はありがとうという言葉を他の国の人に比べてよく使う国民です。それはそれで私はとってもいいことで、臆面無くどんどんいえばいいと思います。したがってThank
youを使う頻後も日本人は自ずと多いわけです。 ただvery muchは明らかにつけすぎです。欧米人が使うのを聞いていたら分かりますが、本当にありがとうと強く思うときか、皮肉っぽく使うかどちらかです。 これはThank youと一緒の時だけではありません。日本人はだいたいveryを使いすぎです。否定形ではとてもよく使われますが、肯定文では彼らは本当にveryと思ったか、敢えて強調したいときに意識的に使うか、その程度です。 |
||
Yeah | 誤感"Yeah, right. Mr. President" 普通は "Yes, Mr. President" |
これは簡単な例ですね。ただ日本語でいう「はい」と「うん」を例に取りますと全く同じ関係かというと、これがかなり違うのでその辺の度合いが難しいところだと思います。 一般的な「はい」と「うん」の使い分けと比べてみますと、Yeahは「うん」よりもかなりformalな側にも幅広く使うことができるようです。直属の上司に「うん」だの「ああ」だのいいますと日本では「なめとんのか?」となりますが、Yeahではそうはなりません。 しかし仮に私の会社の社長が会議で私に何か質問をしたとしたら私は決してYeahとはいわないと思います。日本人の中にはYeahをYesと100%同じと思っている人も多いので要注意。 |
||
Something like that... | 誤感"We would like to discuss two important issues at this meeting which is...profit deterioration this year and customer profile updates, something like that" 普通は "Where do you want to go tonight?" |
これまた癖になりやすいフレーズの一つですね。下を2回連続でかむ(?)必要があるので、発音に少しなれたレベルの人がよく使い始める癖フレーズです。もちろんsomesing
rike zatっていってる人も多いですが。 例文は少し微妙です。誤感のほうでは、2つの重要な問題点を議論したいとstateしているにもかかわらず、その2点を挙げた後でsomething like thatとお茶を濁したような終わり方になっています。こう聞けば、なるほどとお思いかもしれませんが癖になってしまっている本人は気付かない、というのがよくあるパターンです。 普通は何かいろいろ例を挙げた後に、「まぁそんなようなものです」という風に使うことが多いですね。日本語で言えば、さしずめ「そうねぇ、寿司とかぁ、しゃぶしゃぶ、居酒屋とかぁ。そんな感じ?」、something like that? |
||
Discuss | 語感というより誤用"I would like to discuss about this issue firstly" 正しくは "I would like to discuss this issue firstly" |
なんてことはない他動詞の用法に絡むものですが、この間違いを犯す人が実に多いということで取り上げました。結構上級者でも威張って使っていたりしますので少し笑えます。discussは他動詞でaboutは必要ありません。日本語の「それについて議論する」というのが頭にあるのでしょうね。 文法書を見てこれを覚えるのは簡単ですが、長年のinputに基づいて、聞いたときに「こうは言わないよな〜」と思えるようになるまでは結構なinputを積まないとピンときません。 TOEICで言えば、900点以上のごろごろしているうちの会社でもこの間違いを犯す人は結構いたりします。 |
||
Huh? | 誤感(ちょっと表現するの難しいけど)"Well, I am not sure if we can agree with the proposed contract...but I understand you intend to withdraw your proposal unless we agree with it 100%, huh? (-_-)" 通常は "Ha, ha, I got it! That's why you couldn't date her last night, huh? (^o^)" |
Huh? と語尾につけるのは映画などでもくだけた会話などでよく聞く英語らしい表現ですね。、そして簡単に「知ったげ」に見せるのに効果的に使えそうです。間とイントネーションは結構難しいものがありますが、それでも初・中級者の気を引く表現です。 今回載せた誤感の使い方も文法的には決して間違いではありません。問題は場の雰囲気やsituationを選ぶ表現だと言うことだと思います。まじめでシリアスな業務のdiscussionをしている場で真顔で使えば、「喧嘩うっとるんか?」とも取られかねません。事実、欧米人はまずそういう場ではこの表現を使いません。 使うのは、笑って話せるカジュアルな関係・場です。そういう場では自分が相手に対して親密に接しているという感じもでますので効果的ですが。生兵法は怪我のもとのいい例ですね。 |
||
Cute | 誤感"This is Sharon. She is five months old." |
えっ?なんでこれが誤感?と思われた方も多いかと思います。たしかに意味も通じるし、それほど変ないいかたでもありません。ただ、これは何でもかんでも「可愛い〜」という形容詞でしか形容できない現在の日本人の語彙の幅の低下を危惧させる一例です。 実際の場面(映画なども含めて)では、このcuteというのはそれほどは使われません。小さくてかわいらしい物にはときおり使われますが、むしろその場その場でどんぴしゃりの形容詞を選ぶのが普通です。日本人の(特に女性)ように、何でもかんでも、ましてやとんでもなく大きくてグロテスクな物まで「かっわいい〜」ですませてしまうノリでcuteに置き換えてしまうと変な顔をされます。 映画なんかで小さな子供を誉める時には、大抵: "Look. She is beautiful." "She is gorgeous." なんて、言ってますよね。 |
||
My name is | 誤感"My name is saso. Nice to meet you" 実際には "Hi, I am saso. Nice to meet you." |
今回は少しひらたいところで。中級者(3級くらい)までにきわめて多いのが自分の名前を紹介する際の、my
name is...。学校でそう習っているので仕方がないのですが、よく欧米人の言い方を見ていればそう言っていないのはみんなご存じですよね。 これは単純に日本語でどう言うかを考えてみれば良いでしょう。1)私の名前はsasoです、2)私はsasoです、3)saso です。どれを一番使いますか?それと同じです。通常、3)ですね。たまに2)です。1)は使わないでしょ?それと同じです。 2級以上の人で「あっ、my name isって言ってる」という人は気を付けましょう。この事自体より、映画など生のinputを通じての全般的な語感の習得に疎い可能性大です。 そして通常は誰か、第三者が紹介してくれることも多いので、こんな感じになることも多いですよね: "Steve, Caren. Caren, Steve" "Hi, Steve" "Hi, Caren. How are you doing?" |
||
You know | 誤感、とまでは言わないが"You know, I went to the bar last night, then, you know, I met her again! You know, it's, it's, it's, you know, it's....." 使用は最小限に "Hey, listen. I went to the bar last night again." |
前回のanywayよりもさらに癖になりやすいフレーズです。アメリカ人の中にも癖になってしまって連発する人がいますが、いかにも考える前に口だけが動いているような「落ち着きのない」印象を与えがちです。そしてそんな人でもsuperiorに対してとか、formalな場では必要以上は使わなくなります。そんなフレーズです。 基本的には日本語で言えば「ほら、あの、」のように、相手も知っているであろう事柄をreferするときに「つなぎ」に使うのが一番多い使い方でしょう。そういう語感をよく理解しておかないと、ただのくせになってしまいがちです。 余りしょっちゅう、You know, you knowと連発されると「No, I don't know」と切り返したくなるのは私だけでしょうか?実際にそうきり返したことはありませんが。 "The way he speaks is sometimes really annoying." "I know. Why don't you tell him something about it?" "Well, maybe I should do so, but.... you know.... (it is not easy to give advice to your superior)" "Yeah, I know." |
||
Anyway | 誤感"It maybe a good idea but ○*△X$%#▲....... You know what I mean!?" まあ、普通はこんな時でしょうか: "Are you sure if she likes you?" |
少し分かりにくかったかもですが、言いたいのはこういう事です。この例では自分で何かを説明しているのでが、結局相手に全然意図が伝わらずに仕方がないのでAnywayで勝手に「締めくくって」しまっています。Anyway
(whether you understood what I said or not) という意図であれば用法的には間違いではありませんが、考えてみれば失礼な言い方です。 ポイントは、日本人はAnywayで「逃げる」ことがとても多い、ということです。ひとつは日本語の「とにかく」の意味で使い易いのでしょう。発音もしやすい単語ですし。しかし自分の論理がしっちゃかめっちゃかになって分からなくなり、Anyway で締めくくられたのでは聞いてる方はたまったもんではありませんね。 癖になりすぎて必要のないところで多用するケースはとてもよく見かけます。極端な例では自己紹介の際に I am XXXX, anyway なんて事を堂々と言っている人までいます。 What do you mean, anyway?" なんて相手に突っ込まれたら返す言葉もありません。 できれば Anyway で逃げずにすむ a way があるはずです。 |
||
Would | 誤感(とまでは言わないが)"Would you please arrange a meeting to discuss the issue?" 正しく(とまでは言わないが) "Could you please arrange a meeting to discuss the issue?" |
訳の必要はないでしょう。いわゆるPolite requestしたいときのwouldなのですが、これが少し微妙なんですね。wouldもcouldもpolite
requestには使える「筈」なのですけど、私は微妙な違いを感じます。欧米人に聞きますと全ての人ではないのですが、ニュアンスが違うという人は多いようです。そして彼らがwould
you...に続いてpolite requestをするのをそれほど多くは聞きません。 wouldの場合contextによっては何となく「嫌み」でcouldより強い(というか、慇懃無礼な)感じを私は持ちます。ということでpolite requestをしたいときには私はcould youを使用してます - just to be on the safe sideですけど。 ちなみに会話ではwouldはこんな時にはよく使いますけどね: 「OK, I tell you what. If you were him, wouldn't you take the risk then?」 「Well, I don't know.... Would you?」 「Yeah, I would. Why not? I mean... it would be a great career path, wouldn't it?」 |
||
Yes/No | 誤感"So, you didn't call him, did you?" 正しくは: "So, you didn't call him, did you?" |
「だから、彼には電話しなかったんでしょ?」「はい(しませんでした」のつもり。 英語とYes/Noの受け答えのロジックが違う言語を母国語(アジアの言語が多い)とする人々に見られるclassic mistakeのひとつです。良く喋る人でも意外と間違ったままの人が多いのも事実。例のような否定の付加疑問文では特につられて間違う、というパターンをよく見かけます。これを「逡巡なく」正しく答えられるようになるのが、大体2級になった頃だと思います。このロジックを頭では理解していても、日本語がアイデアとoutputの間に介在している間はつられて間違いやすいものです。 相手のstatement全体に対して肯定・否定する日本語に対して、英語では質問の対象となった動詞に対して肯定・否定すると理解しておけばいいでしょう。「電話しなかったのね?」「はい、あなたの言ってることは正しい」というのが日本語。それに対して「いいえ、電話しませんでした」というのが英語。 ちなみにYes, yesと必ず2回いう人がいますが、いかにもノンネイティブという感じです。No, noに至ってはイントネーションによっては「おまえは何度いってもわからん奴だな」みたいな強いニュアンスが出てしまうので要注意。 |
||
Could | 誤感:Thank you for the information. I could contact him to advise the schedule change. 単純にこうしましょ:: Thank you for the information. I contacted him to advise the schedule change. |
「情報ありがとうございました。彼にはスケジュールの変更の件、連絡しました。」のつもり。 これは語感というより用法のミスですが、あまりにも多く目にするので載せました。前後のコンテキストから「過去」を意図していることは大体分かることが多いのですが。これでは、「俺はあいつに連絡してスケジュールの変更を知らせることもできるぜ (やろうと思えばだがな、ふふふ。)」なんて意味になりかねません。 could, would は用法とはいいながらも語感的にも初心者には難しいものです。また今度、他の例を載せましょう。 難しい訴訟を続けるべきか降りるべきかを悩むクライアントにマイケル・ダグラス扮する弁護士がいいます: 「Of course you can carry on the case against him, or you could...」「I know I could but...」 「もちろん訴訟を続けることはできますよ。あるいは…」「そうね。(止めようと思えば止めることも出来ることは)わかってるわ。」 |
||
Please understand | 誤感:Please understand we are working hard on this matter. この文章自体が不要ですが、敢えていう必要があれば: Let me remind you that we have been making every possible effort to resolve this issue as soon as possible. |
「我々はこの件に関しましては全力を尽くしておりますので、どうかその点ご理解をいただきたいのですが。」のつもり。 Please understandというのは欧米人の余り使わない表現です。何か必要以上に下手に懇願しているような響きがあります。大体、understandしてもらったところでどうなるもんでもありません。 なかなか離婚してくれない暴力亭主に妻がこう懇願するのを映画で見ることはありますが: 「Oh, come on! You never understand me, do you.... Please...」 「もぉ、いいかげんにしてよ!どうせ私のことなんか分かりっこないんでしょ?おねがいよぉ〜」 |
||
Want | 誤感:I want to discuss the subject today, so I want you to come to my office at 15:00PA. Thank you. せめてこんな感じで: I would like to discuss the subject today if possible. Would you be able to come to my office around 15:00PM? Please let me know your convenience. Thank you. |
「今日、例の件をお話ししたいので、もし出来ましたら3時頃に私のオフィスまでお越しいただけませんか?よろしくお願いいたします」のつもり。 Wantは主語が自分の場合にはかなり強い語調を持つ動詞です。したがって親しい友人間や部下に向かってならともかく、へたをしたらこんな感じに響いてしまいます: 「今日中に例の件、話付けたいんじゃがのう。3時に事務所まで顔ださんかい。頼むで。」 そういえば、映画アンタッチャブルでアルカポネが「I want him dead, dead, dead!」とテーブルを叩いて叫んでました。「奴を殺せ、殺せ、殺せ」。 |
||